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【事例】お子さんが亡くなった後、残った財産をどうするか~「親なき後」における民事信託の活用例②~

最終更新: 2018年7月20日

信託とは

 信託とは、近年注目されている財産管理の手法です。この事例のような「親なき後」でも活用できるもので、成年後見制度や遺言ではできないことができる場合があります。この事例においての活用方法をみていきましょう。

 なお、信託と聞くと「信託銀行」「投資信託」が思い浮かぶ方も多いのではないかと思います。実は、ここでいう信託とは、民事信託や家族信託と呼ばれるものであり、信託銀行とは関係がありません。民事信託や家族信託と呼ばれるものにおいて、財産を管理するのはご家族や周りの信頼できる人となります。



信託の登場人物

 最初に、信託の登場人物を確認していきます。

 まず、財産を持っている人を委託者といいます。次に、財産の管理をする人を受託者といいます。最後に、その財産から生じた利益を受ける人を受益者といいます。なお、財産から生じた利益とは、財産そのものはもちろん、財産を売却した際の売却益や賃貸物件であれば賃料も含みます。

 この事例では、信託財産の所有者である父親を委託者兼第一受益者、母親を第二受益者、長男を第三受益者とします。そして、受託者を信頼できる第三者(親族など)とします。

 次に、信託契約書には、第三受益者である長男が死亡時の財産(残った信託財産)をどこに帰属させるかを指定します。この帰属先として「お世話になった施設」「支援してくださった人たち」などと指定することができます。これにより、障害を持つ長男に対する両親の想いだけでなく、長男を支援してくださった人たちへの感謝の気持ちも実現させることが可能となります。



親が元気なうちに準備を

 これまで確認してきたとおり、成年後見制度や遺言では、この事例における親御さんの想いをかたちにすることができません。もちろん、成年後見制度や遺言も「親なき後」において必要な法制度ですが、それぞれが万能ではありません。

 つまり、「親なき後」において、“これさえやっておけばもう安心”というような、体系的かつ万能はものはありません。そのため、障害のあるご本人の状況や親御さんの想いに応じて、これらの制度を併用していくことが必要となります。ぜひ、この事例を読まれた親御さんや支援者の方にも、「親なき後」について考える機会を設けていただけたらと思います。



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