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【事例】親御さんの老後を見据えた「親なき後」の準備〜任意後見制度の活用〜

事例

 ある母親(65歳)の長男(38歳)は、重度の知的障害を抱えており、判断能力が不十分な状態です。長男は一人っ子で、現在グループホームで生活をし、日中は生活介護事業所に通っています。父親は3年前に他界しており、母親は一人暮らしをしています。判断能力は十分な状態です。また、現在、長男は成年後見制度を利用しておらず、母親が財産管理をしております。なお、母親としては、以下の想いがあります。



想い① 

 自分が元気なうちは、長男の財産管理を自分でやりたい

想い②

 判断能力が不十分になったら、信頼できる人に成年後見人になってもらいたい

 この2つの想いを実現するにはどうすればよいでしょうか?




障害のあるお子さんが成年後見制度を利用する時期

 この事例のように、“元気なうちは親である自分がお子さんの財産管理をしたい”という方も多いのではないでしょうか。特に、お子さんがまだお若い場合、今すぐ成年後見制度を利用する必要がない場合もあるかと思います。また、一度、成年後見制度を利用すると、原則として本人が亡くなるまで継続しますし、後見人への報酬も気になるところです。この事例では、お子さんが成年後見制度を利用する時期と親御さんの身上監護を合わせて考えていきます。



親御さんと任意後見

 内容に入る前に、成年後見制度の概要を確認していきます。

 まず、成年後見制度は、法定後見と任意後見に分かれます。どちらを利用するかについては、利用開始時における判断能力により決まります。この事例では、母親の判断能力が十分であることから、任意後見を利用することができます。

 任意後見は、一言でいえば“今は元気だけれど、将来が心配”な親御さんにとって活用しうるものです。つまり、親御さんが将来、判断能力が不十分な状態になったときのために、あらかじめ親御さんと支援者との間で契約をしておく制度です。法定後見とは違い、当事者間の契約ですので、親御さんと支援者との間で内容を決めることができます。

 それでは、本事例の①の想いについて検討していきまます。この事例において、母親が任意後見契約を結ぶ際、代理権のなかに「子の法定後見開始の申立てに関する事項」という内容を入れておくことができます。つまり、将来、母親の判断能力が不十分となり、長男の財産管理を行うことができなくなった時点で、任意後見契約を発効させて、親の任意後見人に、子についての法定後見開始の申立てをしてもらうといった流れになります。こうすることで、親御さんが元気なうちはご自身でお子さんの財産管理を行い、判断能力が不十分になったときは、お子さんの法定後見開始の申立てをするといった準備をすることができます。なお、想い②について、任意後見は法定後見と異なり契約ですので、契約の当事者である親御さんが信頼できる人を選ぶことができます。

 このように、任意後見を活用することで、親御さんの老後を見据えた「親なき後」の準備をすることができます。

 なお、任意後見には、将来型移行型即効型という3つのプランがございますので、それぞれの記事をご覧ください。



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社会福祉士・行政書士  山口 翔多

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